先日知人からのメールで、カザルスの輸入物のCDが10枚組で1500円だったと聞いて驚いたばかりでしたが、今日、タワーレコードにいって何気なく物色していたら、これまたとてつもなく安いCDがあり、だまされたつもりで買ってみました。
クララ・ハスキルの輸入盤で10枚組、価格はさらに下を行く1390円でした。
一枚あたり139円!!ということになります。
版権やらなにやらの理由があるのでしょうが、なんであれ驚くほかはありません。
帰宅してさっそくあれこれと聴いてみましたが、正規盤同様のたいそう立派な録音ばかりが大半を占めている点も二重の驚きでした。
一枚だけ録音も演奏もとても本来のものとは思えないようなものもあり、そのあたりはご愛嬌といったところでしょう。
おそらくは正規盤にはできないような放送録音などから間に合わせで詰め合わせたといった感じですが、いずれにしろ演奏はすべて1950年代、すなわち彼女の円熟期のものばかりです。
これで不満などあろうはずもありませんが、ぶん殴られるつもりで敢えて言うならば、収録時間が40分台のものもあり、現在のような70分前後が当たり前の感覚からすると、実質7~8枚ぶんといったところです。
それでも驚異的な低価格で、本当にハスキル大先生に申し訳ない気分です。
演奏はどれもがハスキル独特な、飾らない決然としたタッチでサバサバと弾き進められますが、そこに漂う気品と骨太な音楽は、この人以外には決して聴くことのできないものです。
とくに感銘を受けるのは、いかなるときも確信的であってさりげなく、それでいて内側に激しいものが見え隠れしながら、一瞬も「音楽」が途切れずに脈々と続いていくところです。
色とりどりの作品(シューマン)の第1曲など目頭が熱くなるような演奏です。
はああ、まさに音楽です、、、
まだ数セットありましたから、ご興味のある方はお早めに。
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