ヤマハのリニューアルピアノ

今日、天神のヤマハに行ったら、売り場の大々的な配置転換がされていました。昔1階にあったCD類が2階に移動したのは商品が見にくくて疑問に思っていましたが、嬉しいことにまた1階に戻っていました。
楽譜や書籍は従来通りです。

これまでとは営業方針が変わったのか、楽器販売に一段と力が入ったような印象でした。
とくに意外だったのは、美しく仕上げられた「リニューアルピアノ」と称するヤマハの保証付きの中古ピアノが随所に置かれていて、新品に較べて価格の割安感をアピールしているように感じました。

ふと思い出したのですが、営業サイドでは「スタインウェイの一番のライバルは中古のスタインウェイ」とかねてより言われていたものですが、同様にヤマハも自社製品の中古品にお客さんを奪われていたという構図があったのかもしれませんね。
だからリニューアル事業を立ち上げて、中古品もヤマハの手によって仕上げ作業を施し、ヤマハの店頭で販売しようということなのでしょうか。

思いがけないピアノとしては、高級タイプのグランドS4が展示してありましたが、新品のようにビカビカですが価格は195万ほどでした。
かつてはこのSシリーズは希少なスペシャルモデルを謳い文句に、ネットや中古店等では、なんで!?と思うような法外な価格をつけていましたが、モノが少なくて比較ができないのをいいことに強気の価格設定が可能だったのかもしれません。
しかし、一般の中古ピアノ店よりも高額になるはずの、ヤマハによる仕上げ/保証つきで、しかもヤマハの店頭に置かれてこれぐらいの値段というのは、まさに適正価格の基準になるものだと思いました。

Sシリーズはこれまでの中古価格があまりにも高すぎて違和感を覚えていたところでしたが、ヤマハ自身によるリニューアル品としての価格設定となれば、高くてもせいぜいこれぐらいが「上限」ということを自ずと意味し、感覚的にも納得できました。
それでもヤマハの人の話では「一般の中古価格より高めの設定になっています。」と、やや申し訳なさそうな話しぶりでしたから、一般の中古店の価格は推して知るべしです。

こうしてヤマハが自らリニューアルピアノを手がけるようになれば、他の業者も希少モデルや売れ筋商品に法外な値段を付けて、無知なお客さん相手に高い買い物をさせることも難しくなるでしょうから、ひとつの安全尺度ができたような気がします。
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